2014年7月17日木曜日

子どもとの面会交流について教えて下さい

離婚する夫婦に未成年の子がいる場合には,どちらが親権者となるかを決めなければならない,とされています。
そして,基本的には親権を行使する親が,その子を監護していくことになります。

親権について → http://o-h-law.blogspot.jp/2014/06/blog-post_4.html
監護権について → http://o-h-law.blogspot.jp/2014/06/blog-post_13.html

また,監護権を持たない親が,監護権を持つ親に対して,養育費を支払う取り決めを行います。

養育費について → http://o-h-law.blogspot.jp/2014/07/blog-post_3.html



このように,未成年の子に対しては,親権者であってもなくても,また監護権者であってもなくても,その子に対する責任を負うことになります。

それでは,監護権を持たない親は,養育費を支払うだけで,子どもに会うことは出来ないのでしょうか。
そういう訳ではありません。

親として,自分の子の成長に思いを巡らすことは,当然の気持ちであると言えるでしょう。
さらには,子どもの健全な成長には,両親からの愛情が注がれることが望ましいと考えられています。

そのため,普段監護を行っていない親にも,子どもに対して面会して交流する機会が必要となります。
これを面会交流もしくは面接交渉といいます。

面会交流は,子どもの成長にとって必要不可欠ともいえる機会ですので,子どもをいわばもう一人の当事者として考えるべきでしょう。
しかし,現実には,離婚でもめ,感情的な対立が強い(元)夫婦の間では,面会交流の交渉においても,大いにもめる傾向にあります。

・ あんな相手に子どもを会わせることは子どもにとっても有害だから絶対に会わせない
・ 子どもに会うのは自分の権利なのだから相手が会わせないというのなら養育費は払わない

これらの考えは,一概には誤りとは言えません。
しかし,子どもを人権主体と考えた場合には,大変に身勝手な主張をしているということになります。

面接交渉は,両親とのふれあいにより成長するという子どもの権利でもあると考え,憎い元配偶者,ではなく,この子の親である,という視点を忘れるべきではないでしょう。

また,養育費の支払いは,事実上面会交流確保のための手段となることもありますが,養育費は本来は,子どもの成長のために必要であるとして決められた金額であるということを忘れるべきではありません。
養育費を払わずに子どもを窮状に追い込んでいながら,愛しているのだから子どもに会わせろ,という主張をするのはおかしいとは思いませんか。

私が以上で書いたのは,理想論に過ぎないかも知れません。
いずれにしても,現実には面会交流はもめます。

また,会うといっても,どのような形で面会することにするのか,なかなか判断は難しいでしょう。
時間は・・・
場所は・・・
監護者親は同席するのか,一人で会うのか・・・

当事者間での話し合いがつかない場合には,裁判所の調停にて話し合うことも可能です。

子どもの健やかな成長と将来を見据えて,両親の末永い協力体制が得られることが理想です。
その観点から,面会交流の話をすべきでしょう。

なお,面会交流について取り決めたものの,当事者間だけでは実現が難しい,というようなケースでは,第三者としてNPO法人などの団体が,場所,機会等のサポートをしてくれるサービスをしていることもあります。



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