2014年7月10日木曜日

保証債務の扱いについて

債務整理において,問題となるのが保証債務です。

整理したい債務について保証人がいる場合はどうなるのでしょうか。
また,他人の債務を保証している場合に,破産等の手続をとると,どうなってしまうのでしょうか。






1 債務に保証人がついている場合


債務整理を行うことは,保証人に少なからず影響を与えることは覚悟すべきでしょう。

(1)任意整理

任意整理の場合,債務者が債権者に負っている債務の整理を行う場合,保証債務も影響を受けます。
これにより保証人は,保証債務の履行を求められることになります。

主債務について期限の利益が失われた場合には,保証債務についても一括で請求されることになります。

保証人が支払を行うことが出来れば,支払った上で,債権者に代わって債務者に対する請求を行うことになります。

しかし,保証人も支払えないという場合も,少なくはありません。
そのため,保障債務についても一緒に整理するか,該当の債務を整理の対象から外すことが必要になります。


(2)法的倒産手続(破産・再生)

法的倒産手続の場合には,保証人のついている債務を整理の対象から外すことは出来ません。

そのため,必然的に保証人に影響が及ぶことになります。

保証人は,求められた保障債務の支払を行わなければ成りません。
支払えた場合には,支払った上で,主債務者の債権者として,法的倒産手続に参加することになります。

一方,支払えなかった場合には,保障債務自体をどうにかしなければなりません。
任意整理が出来れば良いのですが,そうでなければ,保証人も破産しなければならないことも,少なくありません。

中小企業の破産では,代表者個人が,法人の負債を連帯保証していることが多く,代表者も併せて破産することが多くなります。


2 保証債務自体を整理する場合


保証債務が支払えなくなっても,主債務がきちんと支払われていれば問題ない,と思うかも知れません。
しかし,そうではありません。

保証債務を任意整理する,ということは,主債務とセットでなければなかなかないでしょうが,法的倒産手続の場合には,保証債務も,手続から外すことは出来ません。
法的倒産手続の開始により,保証債務は顕在化し,債権全額について債権者は,手続の中で権利行使できるからです。

そして,保証債務に債務整理が開始されたことは,通常,主債務に影響を及ぼします。

保証人が弁済能力を担保しなくなるため,債権者としては別の保証人を立てるように請求することが出来ます。
この,保証人を用意できない場合には,主債務の期限の利益喪失の理由ともなります。


軽々しく保証人になるべきではないでしょうが,このような影響があることを踏まえて,保証人になるかどうかは判断すべきでしょう。
また,こういった事情を踏まえて,保証債務がある場合に,債務整理をどのようにすれば良いのか,ということは慎重に考える必要があります。

もっとも,保証人に迷惑が掛かるから,という理由で整理を先延ばしにすることは,最悪の選択ですし,最終的にはさらに大きな迷惑を保証人にかけることにもなります。
最適な方法を一緒に考えますので,相談して下さい。



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